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【逸品】使う人・創る人のために
会員企業名 | ㈱アイビス | 創業 | 1968年 |
会員名 | 兼古 東志浩 | 事業内容 | 電子機器製造業 |
所属支部 | 中遠支部 | 従業員数 | 13名 |
会暦 | 2018年1月入会 | 事業内容 | 工場向け生産設備設計・製造、電子応用機器設計・製造 |
志を継ぐ
磐田原台地の西端、茶畑の緑が美しい磐田市富丘に社屋を構える㈱アイビスは、兼古東志浩氏の父が1968年に設立した兼子電子工業㈲が前身です。兼古氏は音響機器メーカー勤務を経て2006年に入社しますが、ほどなく社長であった父が急逝。以後12年間、「ものづくりを通じて人々の生活に貢献する」という父の志を継いできました。電子制御機器の製造・設計・開発を主な事業としており、自動車等の電子部品の生産設備が得意分野です。
顧客とその先を見つめる
そんな兼古氏の「私の逸品」は最近製造した「焼成装置」です。これはガスに反応するセンサーの製造過程で、センサー素子表面に塗布するセラミックを焼き付ける装置です。センサー内部の銅線に電圧を掛けて発熱させ、センサー表面を高温にして焼き付けるため、電圧の高さとその電圧の継続時間などを制御する機能があります。中を覗くと、電子基板と電源、そしてケーブル類がバランスよく配置されています。「この製品の先にいる顧客、そしてその顧客の製品のユーザー、という風に、常に製品の先の先を考えています」と兼古氏。顧客中心の姿勢は、故障しない製品・顧客を困らせない製品づくりに向かいます。美しい配線も故障しにくさや修理しやすさを考慮してのこと。そしてこの姿勢は、「柔軟な発想と技術で社会に貢献し、
使う人・創る人の為の企業へ」という経営理念にも繋がるものです。「誰かのために、という思いは、父もきっと同じだったはずです」と、兼古氏は創業の精神に思いを馳せていました。
いつかメーカーに
同友会へは大橋徳久氏(㈲大橋商事・中遠支部)の紹介で入会。他の団体でも積極的に活動してきた兼古氏は同友会について「同友会のようにずっと経営のことを話し合っている会はない」と語り、特にバズセッションの良さを実感しているようです。
「今後は扱う分野のすそ野を広げていきたい」と語る兼古氏。「引退するまでには自社製品を作るメーカーになりたいですね」という言葉は単なる夢ではないように思えました。
取材・記事:鈴木 弘之氏 (税理士法人あい会計・中遠支部)