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【逸品】仲間に感謝。地域活性化に「美」でチャレンジ
会員企業名 | ㈱旭紙工所 | 創業 | 1962年 |
会員名 | 渡邉 美穂 | 業種 | 紙加工業 |
所属支部 | 富士宮支部 | 従業員数 | 120名 |
会暦 | 2013年10月入会 | 事業内容 | 工紙の断裁・巻取、包装、選別、検品 |
富士宮市内で紙加工業を行う渡邉美穂氏(㈱旭紙工所)は、元々は金融業界の仕事についていましたが、同社の社長でもある父の一人娘ということで、事業承継も視野にいれ入社しました。そして多くの企業を見てきた経験を活かし、客観的な視点で、経営の改善改革に取り組んで来ました。同友会には2013年に入会し、徐々に役員を経験しながら同友会での学びを深めています。
危機感から新規事業展開
年々、IT情報化が加速し、ペーパーレス化もあり経営に危機感を抱き、新しい付加価値のある商品やサービスが打ち出せないかと模索してきました。その中で、同社敷地内には毎分200リットルが湧き出る地下水源や、食品包装紙加工で高い基準のクリーンルームや設備などを整えていた為、化粧品関連のOEM事業を始めました。OEM製造で成果を上げていきましたが、OEMではコスト面で強みを出せないこともあり、自社商品を作っていきたい、そんな想いが日に日に強くなっていきました。
経営面また、社員活性化、地元の知名度を上げるため、メーカーを目指す化粧品会社「ホーミーコスメティクス㈱」を設立しました。もちろん代表取締役は渡邉氏が就任しました。以前から「富士宮市のコノハナサクヤ姫」「富士市のかぐや姫」という神話・物語があることに着目し、姫=美に関わるブランド展開をしていこうと「ふじのふもとの姫beauty」を考案。オリジナルの溶岩石けんを第一弾で作成。富士宮市観光協会主催の2018年度お土産物コンテスト「それ、みやげにして宮」で奨励賞を受賞する快挙で話題となりました。
その後、第二弾商品のアイデアとして着目したのは、美に良い成分が含まれるとされる「お酒」でした。富士宮はその環境から多くの地酒の蔵があります。その一社に「高砂酒
造」があり、高砂=結婚式の夫婦の宴席=恋愛というイメージから、日本酒を使った化粧水を発案。特別配合のお酒エキスとサクラエキスを利用し、お祝いコスメとして開発したのが今回の逸品でもある「富士高砂美水」で、今年6月には発売開始、夏には、富士宮市内の商店街に体験・販売できるショップをオープン準備中です。
感謝の気持ちしかない
こうしてみると、順風な流れのように見えるものの、その裏では様々な苦労がありました。そもそも、化粧品の新規開発は渡邉さんにとって未体験ゾーン。開発、許可申請など、すべて勉強しながら手探り。どのように展開していくかの悩みもありましたが、化粧品業界に精通した方との出会いもあり、渡邉さんの強い想いに共感してくれたことで連携し、プロジェクトは一気に加速しました。また、富士宮支部の会員内外の有志で「美のまちプロジェクト」も立ち上げ、地域の「美」にまつわるエピソード、ストーリー作りにも取り組み始めています。渡邉氏は「ほんとうにありがたい。感謝の気持ち。」と、こうしたご縁を活かしてやっていこうと、非常に明るく元気に前向きです。この取材に訪れた支部メンバー6名も「未体験ゾーンを切り拓く渡邉さんのやる気、行動力がすごい。自分たちも、より、考えて行動していかなきゃ」と強い刺激を受けました。そういう意味では、本当の「逸品」は、彼女が開発した商品ではなく「仲間と、地域の素材を活用して、富士宮市発祥の『美』を喜んでもらえる商品づくりをして未来につなげていこう」という、情熱・心意気なのかもしれません。
取材・記事:田邉 元裕氏(㈲カボスメディアワークス・富士宮支部)
取材:阿久澤 太郎氏(㈱東海製蝋・富士宮支部)
稲原 研氏(松屋電気商会・富士宮支部)
西躰 亮貴氏(㈱富士山ドリームビレッジ・富士宮支部)
望月 知洋氏(エムスタイル・富士宮支部)
渡邉 卓氏(㈱丸繁・富士宮支部)