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富士・富士宮支部5月例会は、中同協地球環境委員長の平沼辰雄氏(㈱リバイブ代表取締役)に講演をしていただきました。テーマは「地球環境における企業活動と同友会活動」。㈱リバイブは、建造物解体工事、産業廃棄物収集運搬、産業廃棄物中間処理・破砕分別を主力事業としています。経営理念は、「地域から地球へ 地球クリーニング~自然環境の回復復元に挑戦し、善循環型社会の実現を目指します~」。産業廃棄物処分業から資源循環業へと、転換をはかっています。
建設業者から持ち込まれる処理困難物の事例を紹介し、複合材は、処分のことまで考慮した施行計画をお願いしたいと力説されました。廃棄物を分別することで、処理費用を抑えると同時にリサイクル率も向上させることができます。分別を徹底すれば、ほぼ100%のリサイクルが可能だといいます。
また、本社社屋をモデルルームにし、屋上緑化、クリーンエネルギーも積極的に取り入れています。食農循環プロジェクトでは自社管理農場を活かして、地元の学校の生徒を受け入れ体験型環境教育にも力を入れています。
後半平沼氏は、自らの同友会活動に触れ、以下のように語りました。
「人を生かす経営」(中同協発行)の中の労使見解は、擦り切れるほど読みました。「ひと・もの・かね」といますが、それらは対等ではありません。ひとを人件費(PL)でみるのではなく、資産(BS)としてみるべきです。社員との真のコミュニケーションをはかるには決算書の公開をしなくてはなりません。経営の危機は社長の責任です。無駄・事故・ロス(機会損失)の排除が経費節減の真髄です。
企業変革支援プログラムSTEP1(中同協発行)で自社の診断をしてみてください。幹部とともにやると自分との考えのずれがものすごくわかります。経営理念、経営指針の浸透は社長の責任です。方針を出して社員に考えてもらう。なぜ、うちの会社で働くのか。理念がしっかりと腹の底に落ちていれば仕事だけでなく、生活にも浸透します。自社の強み・弱みを分析し、あるべき姿・成功要因を見出す「克ち進む経営」をしていかないとこれからの世の中生き残れません。
今、文明イコールお金となっています。文化とは、地域の持っている資源(ひと・もの・自然を含む)をどう生かすか、我々の孫がこの町で住みたいと思う環境をつくる。そのために地域振興条例が必要になります。地域の環境を守るのも経営者の役割です。人間が人間らしく生きるために、各地の同友会が地域振興条例制定に向けた活動を進めると同時に、中小企業の地位向上のため、3つ目の目的を果たすために今取り組んでいるのが中小企業憲章制定運動です。
さらに、地域の中でぴかっと光る企業になるために、理念の中に環境を入れてください。環境経営を必ず皆様の会社の中に取り入れていただきたい。富士・富士宮地区の中小企業化同友会の活性化は一緒に地域をよくする仲間を増やすことです。これを増強と言うのです。他の団体に負けない経営者団体になるためには母体となる会員数が必要です。規模の問題ではなく、1社1社が力をつけることです。1社1社が地域になくてはならない会社だとういう会社になれば、この会はすばらしい会になる。これからのビジネスのキーワードは環境を前面に押し出して仕事をする。そこにしか活路は見出せない。何か特別なことをする必要はありません。本業を通してきちって環境のことを考えてくださいと、締めくくりました。