同友会には「よい経営環境をつくろう」という3つの目的の一つがあります。12月11日(火)、静岡支部例会で「経営環境の改善で私の会社が良くなるって本当ですか!」をテーマに風間重樹氏(㈱ベイプレスセンター代表取締役)が登壇。経営環境の改善は「職場環境の改善として捉えるのではなく、顧客・従業員・株主・地域にとって永久に必要とされる企業をめざすこと」と報告しました。
地域の中でどういう存在、企業になりたいのか経営者が考え、顧客・従業員・株主の三方よしを確立していくことが大切です。このことは同友会が推進する中小企業憲章の精神に沿った条例づくりにも関わってきます。風間氏は「条例には2つの約束が伴います。1つは行政が優先的に中小企業に仕事を出したり支援したりするメッセージが込められていること。2つは企業も地域貢献できるよう努力していくこと」と言い、横浜市とさいたま市が提唱している地域貢献型企業CSRの取組みを紹介しました。横浜市の「横浜型地域貢献企業認定制度」では、CSRは奉仕活動ではなく、各社の魅力を引き出す戦略的なCSRを構築して、「地域」という視点で新たな評価軸を行政が持つとしています。本業と本業以外のCSR活動を顧客、社員、地域コミュニティ、株主から評価され競争を優位にしていく効果が期待されています。横浜市は今年度148社認定、内従業員300人以下の中小企業が9割占めています。さいたま市の「CSRチャレンジ企業認定制度」は企業CSR活動をチェックすることができます。経営者は日々の経営で様々な判断を迫られますが、それは経営自体が責任の塊であることの裏返しと明記されています。法的・経済的責任の「守るCSR」と、事業活動の結果とプロセスを通じて社会問題と共有する「伸ばすCSR」。両市の取組みは域内の中小企業と行政が連携して地域力を向上させるものです。
風間氏は「経営基盤を固め、変革。PDCAをまわしていく。当社は広告代理業としてフリーペーパーを地域に発行しています。顧客、従業員、地域から当社と共に仕事ができることを心地よいと思われる企業をめざしていきたい。静岡市では両市のようなCSR認定制度はまだないが、できたらぜひ取得したいと思います」と語りました。
中小企業は雇用や税金を支え、何より地域コミュニティに近い存在です。企業経営者として同友会として憲章の描く中小企業振興基本条例の制定運動にむけて、まずは各社が地域に必要とされる企業づくりの実践に取組む必要性が会員経営者からも聞かれました。
資料URL参照
① 横浜型地域貢献企業認定制度
http://www.igpn.org/csr2012/pdf/2nd/05_yokohama_saita.pdf
② さいたま市「CSRチャレンジ企業認定制度」
http://www.city.saitama.jp/www/contents/1346302440206/files/0907gidai2.pdf