「同友会はなぜ中小企業振興条例を目指すのか~企業づくり、同友会づくり、地域づくりから考える~」をテーマに、広島同友会呉支部、県副代表理事の瀬島髙志氏(合同呉運送(株)代表取締役)が登壇。5月16日(木)志ほ川を会場に富士宮支部5月例会が開催されました。
瀬島氏は「何の為に経営しているか」「何の為に同友会に入っているか」を問われたとき、「個人、法人、同友会として、地域にどう貢献していけるのか」と言います。法人としては、経営理念に近づけることが地域貢献していることであり、社員もその家族も賛同してくれる会社をめざしています。15年以上おこなっている社員との面談を通して「3つの願い」がわかりました。①自身の可能性を発揮して認めてもらいたい。ほめられたい。②せっかくの人生。病気、ケガなく元気で全うしたい。③家族・仲間と仲よくすごしたい、暮らしを守りたい。「この3つの願いを叶えていく会社が経営理念であり、経営の目的」と言い、その実現のために同友会で学んでいます。同友会に求めることも明確にしています。「①自身(経営者)、自社が今どのポジションにあるか確認したい。②自身、自社の方向性が間違っていないか確認したい。③情勢をしっかり分析判断したい。④事業意欲を常に持っていたい。⑤どのような企業、経営者になりたいか、じっくり考えられる広場であって欲しい。⑥先輩方が実践し仮説を立てた「労使見解」「21世紀型中小企業づくり」「中小企業憲章」等、先進性と普遍性を大切にする会であって欲しい。」
運送業を営む同社の後継者として生まれた瀬島氏は、後継者だった平成3年に入会。平成7年に代表取締役に就任しました。「わからないことで飛び込んで学ぼう」と、地区会、政策委員会、青年部、共同求人、社員教育など積極的に関わりました。全国大会での学びや交流を通じ、他県会員のある言葉が、経営者として、また同友会会員としての瀬島氏の心に、深く刻まれました。1つは「同友会は生まれながらにして政策提言集団である」もう1つは「人間的にまっとうに生きる経営者になる」という言葉です。
平成15年の中同協定時総会(福岡)をきっかけに、中小企業憲章や中小企業振興基本条例の制定運動や学習に関わるようになりました。25周年を迎える呉支部は、昭和63年168名の会員でスタートしました。当初より共同求人活動が活発な呉支部は20年以上に渡り、地域の学校教師を乗せて、会員企業の見学バスツアーや懇談を行っています。「地域の中で働く、住む、暮らし続ける世代を育てると経営者が認識していくことが大切」と言います。
また呉支部では、中小企業振興基本条例推進プロジェクトの一つに“呉学”を開講しました。地域のことを学ぶ機会を、他団体や行政とも連携して行おうとしています。エコノミックガーデニング事業にも取組みはじめ、「あらゆる階層の人たちが学べる、地域を知る、未来を描く、学習型の地域づくりを形成していきたい」と、地域資源を見つけ、オール呉で取り組む地域づくりに万進していく報告となりました。