「基本、古いものにこだわらない。」 とおっしゃりながら、出してくださったのが、お花のお稽古を始めた頃買った、という花器でした。ひとつ、4〜5000円だったそうです。 それが、今回の「わたしの逸品」になりました。
【表紙写真】すべての始まりを象徴する花器
会員企業名 | ㈲フラワーサーカス | 創業 | 2006年1月 |
会員名 | 中村 佐和子氏(代表取締役) | 職種 | フラワースクール主宰、ブライダル装花、フラワーギフト |
所属支部 | 静岡支部 | 社員数 | 3名 |
会暦 | 2007年6月 入会 | その他 |
趣味を仕事に!人生を豊かに!
お花の習い事からはじまり、イギリスへ短期留学され、有限会社フラワーサーカスを創業された中村さん。 前の会社、釣具・自転車部品メーカーの社員だった時、まわりの方々が、趣味を仕事として取り組む様子を見ていて、気がついたことがあった。私も趣味の仕事をすれば、自分の可能性を楽に引き出せ、人生を豊かに、精神的に豊かに過ごせるんではないか、と2007年におこなわれた全県経営フォーラムの発表のレジュメには書いてあります。
スクールからウエディングへ
今回のインタビューで、お花が好きだったお母様のことをおききしました。 毎日、玄関にはお花が生けてあった。彼女にとって、それが当たり前のことだったのでしょうが、知らぬ間に、彼女のなかにお花への、美への感性がみがかれることになったのかもしれません。 そんな環境のなかで育ち、フラワースクールの先生から、いまでは、結婚式場をお花で飾るプロデューサー業へと範囲を広げられています。 個人のお客様のみならず、法人のお客様も含む世界へ、大きく転換しつつあります。
美しさをお客様のものにする
お花の写真を、というわれわれのリクエストに中村社長は、自らカメラを構え、撮ってくださいました。その構え方がプロのようにカッコよかったのです。いやプロそのものです。 ツイッターとかFacebookなどのSNSでの発信も彼女はなかなかお上手で、その背景には、自分の作品をどのように伝えるか、というテーマが常にあるように思えます。 今回の法人契約にしても、ブライダルのブーケの写真はたくさんあったけれど、テーブルを飾る写真は、ゼロからつくり上げていかなければならないという状況だったようです。このことは、文章にしてしまえば、簡単に見えるかもしれませんが、自分の作り出した美を、お客様にどう伝えるのか、どうお客様のものにしてゆくのか、というテーマにつながると思います。
「わたしは商業デザイナーです 」
お客様の好みをおききし、それに応じたデザインをする商業デザイナーです。と自称されていました。 印象に残ったのは、県外の方の結婚式で、静岡をお花で表現してほしい、というリクエストでした。(下記写真)色合いはお茶ーグリーン、みかんーオレンジ、イチゴー赤のコーディネート。 メインテーブルは駿河湾に浮かぶ船の形で表現。テーブルクロスは、海を連想させるライトブルーを選ばれました。 また波をグリーンで表現したいと、ゲストテーブルのアレンジはグリーンで囲みました。初めてのイメージでしたが、お客様にとても満足していただけました。
ひとつらなりの思い出
何年か前に買い求めた花器からスタートしたお花の仕事は、お母様の丈の高い生け花への思い出へつながり、生徒さんたちへのアレンジメントの教授をへて、今は、ウエディング会場で、新郎新婦さんの「思い出のドレスアップ」につながっています。
ご自分のことを客観的に眺めることのできる方で、さらに、静かに戦略を練ることもお好きなようです。 好き好きつながりで、思い出をさらに美しい思い出につくりかえてゆく魔法の世界。 お客様のリクエストにひとつひとつ丹念に応えていく姿に、今後の㈲フラワーサーカスさんのさらなる成長を見ることができるように思いました。 ありがとうございました。
取材:青山 達弘氏(静岡支部)