【シリーズ羅針盤】2014年3月 山崎かおり氏 ㈱山崎製作所

カテゴリー:経営指針

「経営指針とともに自分自身に生ききる」

私は5年前、経営者としての覚悟が決まらず、漠然とした大きな不安を抱えながらも、なんとかその糸口をつかみたいとの思いで、経営指針を創る会に入りました。そして、勉強が半ばを過ぎたころに父から事業継承をしました。創る会は「経営者としての覚悟」を決めさせていただいた場所でした。

卒業して5年。経営指針は経営者と社員の魂の入った人生の指針だということがやっと実感としてわかってきた今日この頃。人生という荒波に挑む同じ船に乗った仲間のための航海図。それを全社員で作り、全員でその目標に向かって進んでおります。

昨年から経営指針を「富士山マップ」というさらにわかりやすい形(一目でどう富士山の頂上を目指すのかがわかる)に進化させました。

5年前までは、「頑固でプライドが高く、文句ばかりの偏屈な熟練職人」と私が思いこんでいたある一人の社員。腕は業界でもピカいち。経営者となってから彼の心を見つめようと努力しました。そして、彼の技能と心を形として後継者に残そうという取り組みをはじめ、彼に二人の若者の育成を任せました。今では、後輩の成長を自分の喜びとして目を細めながら指導する彼がいます。5年かけてやっと心が通じました。

先日、ある男性社員は、「お客様にお届けする製品を愛する家族と同じように扱おう!」と朝礼で話をしてくれました。ある女子社員は、思うように現場が動いてくれないことに、「お客様のことを考えたら、もっと他の方法があるはずじゃないか。」と涙を流しました。社員の成長を感じる時・・・それが経営者の喜びであると実感する瞬間。

どんな状況になろうとも、社員一人ひとりを信じ抜き、その人生を背負っていくという信念は、私が創る会で決めたゆるがぬ覚悟です。経営指針を我が魂として、社員とともに進化し続けていくことが、「自分自身に生ききる」ことと胸に刻み、挑戦していきます。