【表紙写真】富士石材 清野 恭成代表
会員企業名 | 富士石材 | 設立 | 1962年(昭和37年)1月 |
会員名 | 清野 恭成 | 業種 | 窯業・土石製品製造業 |
所属支部 | 富士支部 | 社員数 | 正規5名、パート3名 |
会暦 | 2014年3月入会 | 事業内容 | 墓石の設計、製造、施工、販売 |
老舗の看板と確かな技術
今回は、富士市竪堀にある富士石材にお邪魔しました。昭和39年創業、今年で50周年を迎える老舗の石材屋さんです。墓碑・記念碑の製作や字彫りを中心に、各種石材加工品の制作を手がけています。代表の清野恭成氏は10代からこの事業に携わっており、そのキャリアは30年を越えるベテランの職人です。同友しずおかの表紙は、その確かな技術を活かした石材加工製品です。
石材に対する想い
「この石は柔らかいんですよ。」最初私には、清野さんが何を言ってるのか良くわかりませんでした。いくつもの石材サンプルを前にして、それぞれの原産地、石の色や特徴、光沢の具合などを説明して頂くことで、おぼろげではありますがそれぞれの石が持つ特色を、わずかながらつかめたような気がしました。
お墓というのは、一生に一度あるかないかの買い物です。そして建ててしまえば1000年は保つほど耐久性に優れたものです。購入する方が納得し、安心し、満足できるものを提供できるように、富士石材ではこのようなサンプルを用意したり、産地証明を発行するなど「わかりやすいお墓づくり」をモットーとしています。
同時に、墓地という神聖な場所で作業をするという意識をもち、墓石の扱いはもちろん、器具や道具の扱い方ひとつまで細やかな配慮を欠かさずに作業を実施しています。
地域密着型営業
富士石材では、ボランティアで各所のお寺さんの墓地を清掃しています。だからといってその作業が売上に繋がることは全くないそうです。では何故そうしているのか、それは信用が全てだからということです。この仕事は、一旦信用を失ってしまうと10年は取り返せないと清野さんは言います。
売上のほとんどを占める一般のお客様は、一度購入されれば次の購入はありません。しかし富士石材には常にお客様からの注文が入り続けています。何故でしょう?それこそが積み重ねた信用による口コミであり、お客様からのクレームを大事にして、それを業務にフィードバックしている成果でもあります。
同友会との関わり
清野さんは、まだ入会1年目の新入会員です。しかし多くの委員会や部会に積極的に出席し、学びを得ています。「同友会では色んな業種の方とお話ができる。成功体験だけじゃなく、失敗談も話してくれてそれが非常に参考になる。そして自分がわからないことを質問すると、みんなで答えてくれる。」そう話していました。そんな清野さんの課題は若手の育成です。石材加工というハードな作業に従事する若手が非常に少なく、育成はかなり難しい問題になっています。しかし同友会活動もまだ始まったばかりです。今後の活動を通じて打開策を見出せることでしょう。
取材・文:望月光太郎氏((有)望月・富士支部)