2005年から2007年にかけて世間を騒がせた、耐震強度偽装事件。静岡でも駅前の新築ビルがその対象となりました。今回の落合隆信氏(㈱オチアイ・静岡支部)の報告は、忘れかけていたあの事件の裏側でどのような事があったのかを知ることができる、とても興味深い内容でした。
10階建てのビルを壊してどうするのか、跡地活用の提案と資金面の問題など、地権者の立場に立ち、現在の形になるまで実施に携わった落合氏の情熱とこだわりを聞く事が出来てとても良かったと思っています。落合氏の話の中で私が印象に残っているのは、2階建てにこだわり徹底的に固定費を抑えて採算性の良い建物にしたという事です。2階建てならばエレベーターが不要で、最低限の費用で再建でき、テナント料も低く抑えられるため入居者も見込みやすいと言っていました。
そこまで地権者の立場になって考え実行した落合氏は、「不動産業においては人との信頼関係が大事」と言います。この「人との信頼関係が大事」とは、どんな企業にでも言える「原点」なのだろうと私は再確認出来ました。
太田 誠氏(㈲M.C.S.KURITA・静岡支部)
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