●第1部:
「条例制定で会社が変わる。まちが変わる。」
~愛媛同友会の取組み事例と条例の可能性を探る~
●第2部:
中小企業振興基本条例ワーキンググループ草案を発表
米田 順哉氏(愛媛同友会 副専務理事)
6月6日(土)、静岡市産学交流センターペガサートで中小企業憲章・中小企業振興基本条例学習会を開催しました。牧之原市議会、富士宮市議会の議員の方々をはじめ、静岡県、牧之原市、富士宮市、また藤枝、富士宮商工会議所、静岡県中小企業団体中央会、静岡大学からご参加頂いた20名を含め53名が集いました。第一部では愛媛同友会副専務理事の米田順哉氏(NPO法人家族支援フォーラム)が「条例制定で会社が変わる。まちが変わる。」をテーマに、松山市・東温市の中小企業振興基本条例の制定~活用運動の実例と今後の展開を語りました。
県条例草案を説明する佐野譲二氏
第二部では会内ワーキンググループ(WG)で成文化した静岡県中小企業振興基本条例WG草案を憲章推進本部長の佐野譲二氏(㈱和泉運送)が説明しました。
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米田氏の話は「このまま私たちが何もしなければ中小企業の存立基盤である地域が消滅してしまう」といった「ゾッとする未来」の話から始まりました。私たちは同友会活動を通じて「人を生かす経営」を学び、強靭な会社を作って地域社会に貢献することを実践しています。しかしそこには限界があり、産学官連携の枠組みを活用しながら地域ぐるみで仕事・雇用・暮らしを守る仕組みを確立しなければならず、正にこの仕組み作りが条例の意義であると言えます。中同協の総会で憲章と条例の制定運動に取り組むことが決定され、各地で地道な運動がなされていますが、その前に私たち中小企業自身が支援されるにふさわしい企業になるという覚悟が必要であることを肝に銘じなければなりません。条例による中小企業支援には多くの場面で税金が使われるので、私たちは自覚的・自律的中小企業でなくてはなりません。私たち中小企業1社1社が地域振興のエンジンになり、地域循環が出来る企業として存在し、それが実践出来てこそ、初めて条例が意義有るものになります。
愛媛同友会では産学官連携で条例を制定し推進しています。中でも松山市では、実態調査、条例づくり、円卓会議という定石に則った条例制定を進めています。実態調査ではリサーチ機関と連携し、東温市では域内の1300程の全事業所調査を行ったとのことでした。松山市の円卓会議では同友会以外に商工会、大学、金融機関など15の団体から委員が参加して、中小企業側から提案し、行政が予算化し振興計画に反映されています。
条例は地域の経営指針であり、理念・方針・計画が凝縮されています。その根底には産学官連携が軸であり、そこに信頼関係がなければ成り立ちません。同友会が提唱する「人を生かす経営」が条例を推進し、条例推進運動が進めば「人を生かす経営」を実践する企業が増えていきます。結果的に地域ぐるみで仕事をつくり、暮らしを守ることになり、「ゾッとする未来」から「希望あふれる未来」になることを確信しました。静岡同友会の会員は、当たり前のように自覚と覚悟を持って条例制定運動に関心を持たなくてはなりません。
6月2日の中同協主催 中小企業憲章・条例推進月間キックオ
フ集会には36名の国会議員が参加
遠藤 正人氏(㈱富士トレーディング・富士支部)