カテゴリー:中小企業憲章
2009年1月号【第9回】 中小企業経営者として地域活性化に取り組む 戸塚勝氏(㈱松浦スチロール工業所・榛原支部)
ニチレイ相談役大戸武元氏の「企業文化とポジティブアクション」を拝読させていただきました※1。その中で「企業は、多くの社会貢献をしている。それは必要とされる商品やサービスの提供、雇用の場の提供、税金の納付、そして寄付や各種活動の支援などである」と述べられています。
大企業同様に我々中小企業も、地域社会に同じような貢献を果たしているのではないでしょうか。その1つが自治会単位で考えますと、区長、町内会長の任に多くの中小企業の経営者がついています。2つに地場の祭を始めとし、町おこしのイベントでは、地元企業の参画は勿論のこと、その従業員の協力もあって成り立っています。3つに地域の方向性を行政、他団体など地域皆で真剣に考えていることです。特に榛原支部では「牧之原市経済活性化会議」に同友会政策委員メンバーが出席をし、吉田、榛原、相良、御前崎地域の活性化について、行政や他団体と定期的な会合を持ち、地域の方向性と問題点を多面的に論議しています。
つまり我々中小企業は、地域との視点を単に生産・労働の相互提供の役割だけでなく、上記を含めた地域コミュニティの形成の柱として重要な存在であることを強く認識することです。そのことで視野も広くなり、条例・憲章の必要性をますます感じ始めています。
また弊社の取り組みとして、2003年にISO14001を取得しました。この活動を通じて、省エネの推進、グリーン調達、供給の推進、社内外の美化活動による工場周辺の草取りにも取り組んでいます。しかしながら、同業他社との競争がはげしく、昨年9月までの材料、燃料等の高騰、これにともなう製品への価格転化が難しいのが現状であり、財務運営は決して楽ではありません。我々も永続的に社内の合理化を推進させ、コスト低減をしなければならないのは勿論ですが、同友会の中で経営指針、労使見解等も勉強しまました。これからは経営者、従業員が共に喜べるような企業づくりと共に、地域に責任を持った経営者として、地域条例・憲章の制定に取り組んで行きたいと思います。そして実体経済が悪化している状況下ですが、支部会員と相互に学びながら地域の活性化に取り組んでいきたいと思います。
※1『機会均等推進責任者メールマガジン 第11号』2008.11.12、厚生労働省雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課。