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【逸品】商品開発を通して子育てママさんを応援
会員企業名 | しあわせの花が咲く㈱ | 創業 | 2003年 |
会員名 | 岸 佑里子 | 業種 | 小売業 |
所属支部 | 静岡支部 | 従業員数 | パート1名 |
会暦 | 2017年10月入会 | 事業内容 | 生花店、手作り指輪サポート業、ガン予防メディカルクラブ「まもーる」販売 |
ブラックな会社員時代
静岡市内で生花の販売をしている岸佑里子氏(しあわせの花が咲く㈱)を訪ねました。比較的交通量の多い幹線道路沿いに岸氏の店舗はあります。誕生日やプロポーズ、墓参り、店舗の開店祝い等の生花販売を行っています。
岸氏が京都の大学を卒業したのは、ちょうど就職氷河期と言われた時代でした。中々良い仕事が見つからない中、ようやく決まったのが関西のシルクスクリーン会社の営業職。道頓堀の戎橋に立ち、通行人相手にシルクスクリーンで製作された絵画を売るのが仕事です。かなり難しい営業であることは想像に難くありません。こんな仕事ができるなら社員として働かなくても自分でできると、起業への思いを強くしていきます。父が土木の会社をしていたのも、岸氏の独立志向に影響していたようです。
静岡で独立・開業へ
シルクスクリーンの会社を退職した後、静岡に戻り、好きだった花を仕事とするために、フラワーアレンジメント教室に通いながら、生花店や造園の仕事をしていました。そして2003年に葵区古庄で生花店を開業。2011年には、子育てをしながら仕事をするために、現在地に住宅付店舗を建てました。交通量の多い現在地に移転したことで、法人の顧客も増えて売上も古庄の時代の倍近くとなりました。
生花で作ったおむつケーキ
そんな岸氏の逸品は、お花のおむつケーキ。出産祝いに何を贈って良いか悩む方が多いということが、商品開発のきっかけになりました。おむつケーキというと、たくさんのおむつで作った台をレースやリボン、ぬいぐるみを装飾して作られるのが一般的ですが、岸氏は生花で装飾することに挑戦しました。表紙の写真にもある2段の商品は特許庁の意匠登録も受けてあり、そこに並々ならぬ商品への情熱を感じます。おむつは消耗品のため、贈るとかならず喜ばれます。出産・育児で大変なママさんを癒してあげたいという思いが感じられます。
また、この商品は水が苦手なおむつと水が必要な生花を組み合わせるアイデアが評価され、2018年に静岡市の「しずおか女子きらっ☆ブランド」に認定されました。まだまだ、出産祝いを贈るという文化が広がっていません。岸氏は「生花のおむつケーキのような商品をきっかけとして、出産祝いを贈る文化が広まっていって欲しい。また子供が産まれることが後ろ向きにとらえられがちな昨今、もっとみんなで出産を祝い、サポートし、子供を産むことに前向きになれるような社会になって欲しい」と話してくれました。
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取材・記事 藤本 浩氏(プリントバリュー㈱・静岡支部)