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【逸品】職人技で美しい 断面に仕上げるレーザー加工機
会員企業名 | ㈱望野板金製作所 | 創立 | 1976年 |
会員名 | 望野 裕介氏 | 業種 | 製造業 |
所属支部 | 富士支部 | 従業員数 | 正規15名、パート1名 |
会暦 | 2019年4月入会 | 事業内容 | 産業機器部品・操作盤・ラック部品等 製造、各種レーザー加工他金属加工 |
企業に先駆けて導入したレーザー加工機
㈱望野板金製作所 望野裕介氏の逸品は、次男の望野和典氏(専務取締役)が操作入力をするレーザー加工機です。このレーザー加工機は先代の社長が25年前に初めて購入し、現在使用しているもので2代目になります。まだレーザー加工機というものがなかった頃に他の企業より先駆けて、当時1億円以上かけて導入しました。3m×1.5 mの作業スペースの大きな機械ということもあり、同業者からの仕事もたくさん頂いたそうです。今使っているものは13年目になるレーザー加工機ですが、まだまだ現役で十分稼働中とのことでした。
細やかな調整できれいな切断面に
レーザー加工機のスペックについてですが、同社では、鉄は0.5 ミリから16ミリ、ステンレスは0.5 ミリから10ミリを主として加工しています。作業台の大きさは3m×1.5 mあり二酸化炭素のレーザー加工機(二酸化炭素をレーザー媒質としたガスレーザーの一種)です。少し専門的なことですが、機械と言ってもボタン1つで何でもできるものではなく、切断面をきれいにするためには、切断スピード・光の出し方・アシストガスの量など様々な調整が必要だそうです。同じ厚さで同じJIS規格の金属でもメーカーによって同じ調整では切断面が異なるそうで、その調整はまさに職人技です。切断面を見せて頂いたのですが、本当にきれいで素晴らしい物でした。
技術力を売ることが私たちの仕事
望野氏は切断面へのこだわりについて「同じ機械を使っても使用者によって仕上がりが違います。よりキレイに仕上げる技術力を売るのが私たちの仕事です」と話してくれました。製作の打ち合わせの時に「こんなにきれいにできるの!」と驚かれる方も多いそうです。クレームはほとんど無く、加工上のミスもないと話してくれました。新規取引先を開拓するような営業活動はしていないとのことで、口コミや紹介で受注しているそうです。「レーザー加工なら望野板金」と富士支部の方からの依頼も多いそうで、しっかりした仕事をしている望野氏ならではのお話だと感じました。
熱いこだわりをもつ3人兄弟で経営
長男の望野昌宏氏(代表取締役)、次男の望野和典氏(専務取締役)、三男の望野裕介氏(常務取締役)と3人兄弟で経営されている同社では、皆さんいろいろなこだわりを持って仕事をしており、話を聞いているうちに『下町ロケット』の世界を思い出しました。仕事に一生懸命で手抜きをしない㈱望野板金製作所に熱い気持ちをもらいながら、富士山と新東名がきれいに見える工場を後にしました。
取材・記事:渡邉 正仁氏(㈲丸之工務店・富士支部)