【表紙写真】EN’S Group 代表 遠藤 崇浩氏
会員企業名 | EN’S Group | 設立 | 2005年4月 |
会員名 | 遠藤 崇浩 | 業種 | サービス業 |
所属支部 | 富士宮支部 | 社員数 | 役員1名 正規4名、パートアルバイト16名 |
会暦 | 2011年2月入会 | 事業内容 | 飲食業 |
◆美味しい牡蠣を安心して食べられるようにしたい。
「ラウンジバーエンズ」と「フジヤマタパス」の2店舗の飲食店を経営している、EN’S Group(エンズグループ)代表の遠藤崇浩さんが、新たな自社のイノベーションとして目をつけた食材は、“あたる”と言われる「牡蠣」でした。
◆「バカヤロー」から「ありがとう」 に
遠藤さんが10代の頃は、いわゆる「悪ガキ」で、将来何をしたいかもわからず場当たり的な日々だったといいます。そんな中でたまたま先輩の誘いで飲食店を手伝った時、お客様に「美味しかったよ」と、感謝の言葉をもらう事ができました。
「今までは『バカヤロー』とか『この野郎!』くらいしか言われなかった自分が「ありがとう」と言われた!!すごい嬉しい!!!」
この感動体験が、その後の人生を大きく変える事になったのです。
やがて、昼は割烹料理店、夜はスタンダードバーで修行を重ね、最初の店舗「エンズバー」を富士宮市内でオープンさせたのが2005年、遠藤さんが若干まだ23歳の時でした。さらに、2009年には「ダイニングバーエンズ(現:ラウンジバーエンズ)」として、これまでの10席から40席の店舗に移転リニューアル、気軽にイタリアン料理を楽しめるようにしました。
◆同友会への入会と経営理念。あなたの心を幸せに。
2011年「ただ良い話を聞くだけじゃなく、経営の悩みも聞いてもらえるし、議論をしあえるようなフィードバックできる場のある勉強会があるよ」と、友人の紹介で静岡県中小企業家同友会に入会しました。経営指針研究会にも入り、経営理念を磨き上げる機会にも恵まれました。「笑顔をつくる、幸せにする」そうしたコンセプト・想いを理念の隅々込め、毎日スタッフと唱和するようにもなりました。
創業時は店長兼シェフでスタートした遠藤さんも、いつしか、経営計画や仕組みをつくり、人を育てて任せる、文字通りの「経営者」として、さらなる成長を遂げています。同友会活動も、今では、仲間たちと全国イベントにも積極的に参加し、同友会の学びを深めています。
◆新店舗展開と牡蠣との出会い。
遠藤さんは2013年、これまでのイタリアン料理とは別のコンセプトの店舗を企画し、スペインの小皿料理に着想を得た「フジヤマタパス」を同じく富士宮市内にオープンしました。100席近いパーティ利用も可能な柔軟な店舗スペースで、お客様にも好評を得ていきました。
そうはいっても、やはりサービス産業、年間を通じて見ると、やはり景況の波が必然的に出てきます。特に、2月と9月が非常に厳しく、この業界のジンクスを打破したい、それでいて、お客さんにも幸せになってもらえるものは無いかと、様々なメニューや食材を研究、試行錯誤する日々の中で着目したのが牡蠣でした。
◆安全に、美味しく牡蠣を提供したい。
みんなも大好き、自分も大好き、栄養も豊富な牡蠣を安心して提供したい。身近で食べられるようにしたい。でも、安全性が気になる。そんな中、「オイスターマイスター」の資格の存在を知り勉強をはじめた遠藤さん。衛生管理基準、産地選定、生物学的な牡蠣の特性、加工技術等など、様々な知識や技術を学び、試験にも無事合格しました。
★オイスターマイスター協会ホームページの紹介文(外部リンク)
http://oysters.jp/ens.php
これでいよいよ・・・と思いきや、遠藤さんは違いました。
「しかし、それだけではまだ不安。本当に、安全な牡蠣が産地で加工されて出荷されているか?」
この目で確認すべく、遠藤さんは広島、兵庫、石川(能登)など、実際に現地に赴きました。時には生産者さんと一緒になって牡蠣の種付けなども取り組み、牡蠣の最前線をその目、その手で確かめ、信頼できる取引先を選定しました。
そしていよいよ満を持して2014年3月、オイスターマイスターの提供する牡蠣の販
売開始。
ほぼ毎日のように、産地から大粒で新鮮な牡蠣が届きます。あっという間に完売していき、手応えを感じました。牡蠣の旬といえば冬ですが、年間を通して提供できるよう、産地の特性、出荷スケジュールを確かめながら、夏季でも牡蠣が食べられるようにしています。8ヶ月(2014年11月現在)たった今、フジヤマタパスの名物といえば、大粒で新鮮な牡蠣!というまでになりました。
◆日本中の人の笑顔をつくる!!
遠藤さんの掲げる「お客さんが喜ぶ、幸せになる商品を、きちんと、そして適正価格で提供する。」という経営理念の実現に終わりはありません。
お店の入り口に掲げられた経営理念。そしてその横に書かれたスタッフ一人ひとりの想い。料理を通じて、日本中の人の笑顔を作りたい。そんな純粋な思いを日々具現化するエンズグループのこれからが楽しみです。
取材・文:田邉 元裕氏(有限会社カボスメディアワークス・富士宮支部)