杉浦 昭男氏(真和建装㈱ 会長・愛知同友会理事)
杉浦昭男氏(真和建装㈱ 会長・愛知同友会 理事)をお招きし、同友会の根源である人間尊重、自主・民主・連帯の精神、「共に育つ」という言葉の本質、そして、同友会とはどういう会なのかを、様々な経験に基づきお話し頂きました。建設業(防水・塗装)を営む真和建装㈱は当社と同業であり、杉浦氏には親近感を強く抱きました。その飾らない姿勢や真摯な取り組みに、よく人柄が表れていると感じました。
「中小企業は社員と共にあり、共に育つより他に存続する道はない。だから『この社長と出会えて良かった』『この会社で働けて良かった』と思える経営者になろう」「『我々経営者は、採用をした時から、社員を幸せにするという責任がある』という強い想いと共に『共育』という言葉はあるべきだ」「池の鯉が池の大きさ以上に大きくなれないように、社員は社長の器以上には育つことはできない。だから我々経営者は、資質を高め、器を大きくするのだ」「経営者は、常に社員に背中を見せよ。『経営理念』は、経営者の背中を成文化したものだ」杉浦氏の、同友会での学びの実践に基づく報告は、その言葉のひとつひとつが心にずしりと響くものでした。
「共に育つとは、俺が育つこと」とは、経営者自身が率先して育ち、その背中を見せなければ社員は育つことができない、という、杉浦氏の謙虚な姿勢と強い覚悟を表した言葉でした。
「社員に自分の背中を見せ、経営方針をしっかり立てて、あらぬ方向へ行かぬようきっちりと確立する。社員を迷わせず、この会社、この社長についてゆきたくなるように、社長としての自覚と責任を認識しながら、個人の資質を高める努力をしよう」という杉浦氏のメッセージを深く噛み締めて、今後も進みたい所存です。
佐藤 義幸氏(松本工業㈱・富士支部)
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報告者の杉浦昭男氏から、同友会と歩んだ33年の歴史より、共育を考え方、行動の原点とし、自身の覚悟と会社としての責任を熱く語っていただきました。
中小企業に必要なのは仕事内容ばかりではなく、経営者の熱い気持ちが必要。そして、自分自身が魅力ある人間になることで解決できる問題がある。そのためには自分が勉強して、いい影響を社員に与え、共に育つ覚悟をみせること、労使見解も交えながら同友会の一丁目一番地の考え方を伝えてくれました。
社員に救われた話、障害を持つ社員から教わったこと。新商品開発で全国に勝負に出た時の苦労と決断。自分の息子さんを労災で亡くしたこと。廃業を考えたこと。など同友会らしい赤裸々な部分もお話いただきました。
同友会を通して知った学びと、実践や、社長と社員の関係を例えた、鯉は器以上に大きくならないお話。ガンジーの格言、明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。などなど…。内容も盛り沢山でした。
バズテーマは「経営者の覚悟・責任」として、ベテラン社長・新米社長・後継者。それぞれの立場でいろいろな考え方ができる内容で、現在の悩みなども語られ、支部を超えて意見交換ができたように思います。私自身は経営者として「これ」と決めた覚悟、そしてそれをやりきる責任を改めて確認させていただきました。
「同友会とは自分の悩み・課題をみんなで持ち合って解決するところ、黒字を自慢するところではない。腹を割って話し合いヒントをもらい合う会になってほしい」とお話を締めくくっていただきました。
「共に育つ」を経営理念に掲げ、それを実践し続けた覚悟、自らが学び育ち続けるという強い気持ちを学んだ例会でした。
望月 史生氏(㈱東食品・富士宮支部)