創業96年、老舗建材屋の挑戦! ㈱野村商店 代表取締役 野村 勝也氏(伊東支部)

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創業96年、老舗建材屋の挑戦!

㈱野村商店

代表取締役 野村 勝也氏(伊東支部)

事業内容:建設資材(左官材、屋根材、タイル石、ブロックレンガ、外装建材他)、土木資材、コンクリート二次製品、住宅設備資材、(配管材、機器)、セメント、生コンクリート、骨材

設立:1922年4月

社員数:104名

入会:2016年4月

所在地:伊東市荻578-216

野村 勝也氏(左)


社員と向き合い社長の想いを共有する

 今年で創業96年を迎える㈱野村商店。高度経済成長期やバブル経済期には、建築物の建設増大に伴いコンクリートの需要が増え、順調に売上を伸ばしていきました。2001年に本社を東京から伊東市に移転しますが、リーマンショックなどの影響もあり、現在は売上が最盛期の約50 %にまで減少しています。
 代表取締役の野村勝也氏は3年前に事業承継しました。それまでは拡大路線で、営業所や工場を県内に十数か所展開してきましたが、いくつかの営業所の閉鎖を決意。但し、社員の雇用は徹底して守り、1つの営業所で広範囲に仕事をこなしたり、同業者と営業所をシェアしたりすることで、コスト削減に取り組んでいます。社内の組織を変えていく中で、社員からは様々な意見が出ます。そこで野村氏は、この取り組みが社員・会社のそれぞれにどのようなメリットがあるのかを伝え、理解してもらうようにしています。


10年後、20年後に向け新卒採用に取り組む

 現在は新たな試みとして、新卒者の採用にも積極的に取り組んでいます。社長自らが企業ガイダンスに参加し、自社だけでなく中小企業や業界の魅力を発信しています。若い世代の社員が入社することで、中堅やベテラン社員の変化が目に見えてわかるようになったとのこと。野村氏は「決して余裕がある訳ではないが、自社の10年後、20年後を見据えて積極的に取り組んでいる」と言います。また、社員が育つ場づくりの取り組みとして、社内での勉強会も積極的に開催しています。その勉強会では、社長が社員に教えるのではなく、社長と社員が共に学ぶ環境づくりをしています。

社員さんが考案したありがとうを伝える掲示板


理念の浸透をめざす!

  これから取り組んでいきたいことは「会社として利益を追求するのはもちろんだが、まずは経営理念を社内に浸透させていきたい」とのこと。各営業所で毎朝理念の唱和を徹底しています。 建設業界でも人手不足が大きな問題となっている中で、技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上や効率化を目的とした「建設キャリアアップシステム」の導入など、現場における様々な問題を解決し、安心して働ける仕組みづくりに取り組んでいます。「人手不足や定着の問題は深刻で、今は良くても将来的に厳しくなることは予想できる。先日の県総会での加藤明彦氏(エイベックス㈱・愛知同友会)の記念講演を聞き改めて、見えている未来に向けて準備していくのが社長の仕事だと感じた」と野村氏は話してくれました。

   

記事:鈴木 将大氏(㈲東亜電気工業・伊東支部)