同友会に入会して3か月、まだ支部会員の皆様と親しくなり始めたばかりの頃、それまで順調に営業してきた弊社に大きな変化が訪れました。
それまで私の片腕として活躍していた従業員が突然の妊娠・結婚となり、現場の仕事を任せることができなくなりました。産休となる一人分の穴を埋めるため、私も現場での仕事が中心となり、経営者としての働きができていない状況でした。
そんな時に支部の先輩から創る会へのお誘いを受けました。このような状況で創る会に参加しても一年間も続けていけるのか不安があり、一度はお断りしようと考えたのですが、多くの先輩達から励ましの言葉に推され、失礼ながらあまり意欲が湧かないまま参加を申込みました。
それまで一度も同友会の事務局にも行ったことのない私は、経営指針の意味も理解できぬまま、欠席しないことだけを考え緊張しながら創る会へ向かいました。
日々業務の忙しさにかまけて、自社の危機的な状況を真剣に捉えていなかった自分にとって、創る会でのスタッフの一生懸命で積極的な議論や、受講生の危機感から溢れる真剣な姿勢は非常に刺激的でした。最初は出された課題を書き込むことしか考えられなかったのですが、回を重ねるごとに少しずつ経営指針を創ること、理念を持った経営の大切さを理解していけたように思います。
今、振り返ってみましても理念・指針を一人で考え出すことは不可能だったと思えます。
受講する前には、指針を作るのに本当に一年間も必要なのか疑問でしたが、この時を共にした仲間と一緒に、素直になり心を裸にし、積極的に意見を出し合い議論を重ねることで、初めて気づかされることがあったのだと思います。
自社のことは自分が一番よく理解していると思っていましたが、自身の心の奥底にあった想いや情熱を掘り起こしてもらえたのは、親身になって共に考えてくれたスタッフと、第8期『ハッピーズ』の仲間がいたからだと私は確信しています。
創る会は卒業をしましたが、ハッピーズは終わりではありません。旅立ちの式の後も皆で集まる機会をもち、互いに良き刺激を与え続けています。
先日、私自身も指針に基づき、新規事業を行うための新店舗を構えることができました。もし創る会に参加していなかったら、自社の差し迫った危機すら気づかずに同じ業務を繰り返す日々だったに違いありません。起業した時の情熱を再燃させてくれたハッピーズの仲間、厳しくも温かなアドバイスを頂いたスタッフの皆様には本当に感謝しております。
経営指針を創る会第8期卒業生
寺田 卓正氏(志太支部)