今回の逸品は、志太支部、㈱江永化成の紙発泡加工品です。
環境に配慮した新素材を使い、古紙再利用の紙緩衝剤です。多くの方々のご縁によって支えられ作られた製品です。
【表紙写真】㈱江永化成 鈴木且久社長(写真右)
会員企業名 | ㈱江永化成 | 設立 | 1971年 |
会員名 | 鈴木 且久 | 業種 | 製造業 |
所属支部 | 志太支部 | 社員数 | 15名 |
会暦 | 2011年4月 入会 | 事業内容 | 紙発泡加工事業、発泡スチロール加工 |
環境側面に配慮した、新素材「紙発泡」古紙を再利用した紙・緩衝材
<会社の沿革>
昭和46年 有限会社鈴木スチロール
昭和51年 株式会社山鈴製作所
昭和54年 株式会社江永化成
(エコアクション21認証事業所)
(男女共同参画社会づくり宣言事業所・団体)
<事業内容>
○ 紙発泡加工事業(eco事業)
○ 樹脂加工
○ 発泡スチロール加工
○ 梱包資材
経営理念
私たちは誠意ある対話をモットーとし、
お客様の要望を満足に変える提案と、
一味違う商品づくりに励み続けます。
志太支部役員が訪問取材(中央:鈴木社長)
創業のころ
㈱江永化成さんは、各種樹脂加工を行っている従業員15名のメーカーです。先代の鈴木文四郎氏は、学校用品の問屋をしていましたが、店舗火災に遭い、発泡スチロール加工へ転身し、㈲鈴木スチロールを創業しました。事業が軌道に乗ったところで、その工場も火災により喪失という災難に見舞われます。度重なる罹災にかかわらず、ご縁のあった会社に助けられ、昭和51年に㈱山鈴製作所をスタート。昭和54年に㈱江永化成として再スタートし、現在に至っています。
焼津市(旧大井川町)に本拠を構えていますが、「江のほとりに永久に栄える」ことを願い、屋号を「江永化成」と定めたそうです。ご苦労の末の、心からの願いがうかがえます。
主力商品は「紙発泡」
古紙を主原料としており、発泡スチロールと同様に、緩衝性・断熱性に優れ、しかも、スチロールとは違い、可燃ゴミとして処理することができます。ダンボールとの一体型のエコ商品として、自動車部品や冷凍食品の梱包材として出荷しています。樹脂加工の経験を生かし、少量多種のオーダーに応えて、様々な商品を作っています。
発注者と一緒に、「環境」と「人」に優しい商品開発を進めるとともに、自社ブランドの開発も単独・コラボを含め積極的にトライしています。その一つがのジオラマ模型です。基盤事業とトライアル事業をバランス良く行っている事業形態は、とても魅力的に感じられました。
たくさんのご縁のあった方々との汗と工夫が満載のジオラマ
「環境」と「人」に優しい会社を目指して
発泡スチロール、樹脂、紙発泡の加工全般で、使い易さ、環境への対応、コストダウン、あらゆる要望に応えるべく、常に考えています。そして、将来的には、江永化成でないとダメだというものを作っていきたいと言います。社長ご本人が語る次の言葉は、つらい経験をした人ならではの重みがあります。「私たちは幸せ者です。たくさんのご縁をいただき、今の私たちがあります。」
鈴木社長は、縁に支えられてきた感謝の気持ちを忘れずに、地域の方々に接し、日々の事業にもまい進しています。幾度となく、ゼロからのスタートを強いられました。でも、その度にたくさんの人に助けられ、チャンスを頂きました。だから、何事にもチャレンジし、お客様の要望にも全力でお応えするという姿勢を貫いています。今度は、自分たちが社会に恩返しをしていく番だと考えているからです。
≪社長の想い≫
○ 社会貢献
○ 地域を元気づけたい
○ 子供たちの将来のために
○ 逃げない、向かっていくのみ!
社員さんの手による細やかな作業
社会貢献としての施設外就労受け入れ
障害福祉施設からの研修生を受け入れ、ハンデキャップを持つ人たちの就労支援活動を続けています。また、「男女共同参画社会づくり宣言」(静岡県登録)を行い、より良い職場環境づくりにも努めています。「小さな環境への思いやり」をスローガンに事業を進めている江永化成さん。社会貢献も果たしながら、この厳しい経済環境の中で、従業員と思いを一つにして信念を貫きながらお仕事をされています。
研修生といっしょに作製したジオラマ模型に、鈴木社長、そして会社の想いの全てが込められ、表れているように思えてなりません。あっぱれというか、感心・感激のひと時でした。
取材・文・写真 松浦富雄氏(行政書士松浦富雄事務所)
取材:塚本和成氏(㈲塚本商店)・松葉秀介氏(松葉倉庫㈱)
大滝淳氏(大瀧重工㈱)・杉山裕己氏(㈱杉山工務店)
大石貴啓氏(タイケイ㈱)