「好きなことだけ俺はやりたい!!」~自分の夢を実現する為に会社を辞めた男

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 静岡支部3月例会が9日(火)ペガサートビル6Fプレゼンルームにて開催され、会員41名、オブザーバー4名が参加しました。報告者は、㈱シモムラアレック代表取締役下村朋道氏。逆子で生まれ、危うく死産だったという下村氏。デザインの専門学校に進学、学校の先生の紹介で、地元の広告代理店に就職をしたものの10日で倒産の憂き目に会いました。その後、ディスプレイ会社へ就職が決まり、24年の勤務を経て独立しました。勤めた会社は厳しく、何度もやり直しの上徹夜で仕事を仕上げることも珍しくなかったそうです。それでも現場が好きだった下村氏は、人の管理を任されるようになったものの、自分の管理さえままならないのに人の管理なんて、という違和感とともに独立心が強くなってきました。

 既に建てた家を売って、店舗兼自宅を静岡市大岩に構えたときには、ほっとしたのと同時に、これで後戻りができないと実感したそうです。40代半ばでしたが、この年ならお客様ともまともに話もできるだろうという考えもありました。また、独立の準備にあたっている中で、模型メーカーの社長からミニチュアカーだけで食べていくのは難しいから、ディスプレイの仕事も続けたらどうかという助言を取り入れました。

 自分の仕事を立ち上げて間もなく、継続的に仕事をいただける会社の社長と出会い、仕事のほとんどをその1社に依存していた状態が続きました。その仕事の絡みで海外にも頻繁にでかけました。とあるきっかけで仕事がぷっつりと切れてしまいました。突如仕事がなくなり、困り果てましたが、銀行の融資によって何とかしのぎました。
 
 会社立ち上げ時は、経理を実父に任せ、他に従業員を雇わず、自分一人で始めました。年齢的なこともあり、父の後任に経理担当者を雇うことになりました。その経理担当の方に、「社長ただで出展できるビジネスマッチングフェアがあるからいかなきゃ駄目ですよ」と言われるままに出展したところ、たまたま同じ会場にブースを出していた同友会の会員に、ハイパーカットソーのメーカーを紹介してもらいました。ホビー業界では反応がよく品薄の商品です。自社の社員ではないですが、力を貸してくれる信頼のできる人にも恵まれ、一人だけでやっているという感覚はないそうです。依存していた取引先と切れたことが転機となり、必然的に外に目を向けざるをえなくなる時間がたくさんできました。それまでは日々の仕事に満足していました。「今、お金はないが、精神的には充実している」と下村氏は、語ります。突如仕事が切れてしまったことを振り返って、普通ではなかなかできないことを短時間で経験させてもらったことに、今では感謝しているそうです。これからも下村氏は自分の好きな道を突き進んでいくことでしょう。