【シリーズ羅針盤】2012年4月号11回 田邉元裕氏(㈲カボスメディアワークス)

カテゴリー:経営指針

私は平成十一年、二十三歳の時にホームページ制作・デザイン会社を創業し、法人化した平成十六年に同友会に入会しました。技術は持っていても、経営はまったくの独学・我流であった為、年々スタッフを増やしてやっていく中で「自分の経営はこれで良いのか?」と迷っている時期で「経営指針を創る会」の案内チラシに目が行き、思い切って第三期に参加しました。

富士宮支部と同じく、創る会でも、やはり異業種の社長が遠慮なく意見を言ってくれた事は新鮮かつ衝撃の連続で、頭を悩ませながら指針の作成に取り組みました。しかし、仕事の立込みや取引先の倒産などにも見舞われ、一年で終えることができず、

挫折感と悔しさから翌年の第四期にも参加しました。合宿勉強会では、夜遅くまでメンバーと熱く語り合いました。そして無事、経営理念・指針を明文化でき、行きあたりばったりの経営に道すじが出来ました。

掲げた理念にも「ITをフル活用してお客様の道すじをつくる。かんがえて、すすむ。」という主旨も入れ込み、社員と共有しました。幹部の一人は「この言葉良いよね。最近は考えない人が本当に多いんだよね」と共感してくれました。

それからというもの、商品力の強化、スタッフへの権限移譲等を促進、一人親方の体質から脱却し、本当の意味での企業づくりに必死に取り組みました。

指針作成から四年以上が経ち、当時六名だったスタッフは私含め現在十三名。事務所も移転し、年商も当時比の2.5倍を超えました。

とはいえ、まだまだ課題は山積です。技術革新の早いICT業界は研究開発や先行投資が多く、利益が薄くなりがちです。また、震災もあり、クラウド他、リスクにも強いICTサービスの整備と提案も急務です。

同友会が僕にくれたもの、それは「前に進む元気・勇気・自信」でした。同友会が僕を本当の意味の経営者への道に押し上げてくれました。すべての熱い同友会の仲間に心から感謝し、この会とこの会の学びを未来へ伝えていきたいと思っています。

第三期経営指針を創る会卒業生

田邉 元裕氏(富士宮支部)